<ROLAND RH-iE3>


>>さすがモニターイヤホン
  メタルハウジングが高級感をかもし出します。

ROLANDブランドで販売されている、カナル型のハイエンド密閉型ダイナミックモニターイヤホンです。
モニターイヤホンと謳っているだけあって、低域から高域までほぼフラットです。解像度もかなり高く、定位感もしっかりしています。音声ファイルに記録された音を忠実に再現してくれます。しかし、それが故に、質の悪いデータではそれが目立ってしまい、このイヤホンの性能を生かしきれないことも。
装着で音がかなり変わってしまうのはカナル型の宿命ですが、人によって評価が変わってしまい、しかもそれで酷評を下す人がいるのはいただけません。「低域が出ない」、「音がスカスカ」といった評価は、大抵イヤピースの選択を間違っていたり、きちんと装着していないことが原因と思われます。
なぜなら、私自身がそうだったからです。装着がうまくできず、しかもイヤピースを小さめのものを選んでいたときは、確かに低音は不足し、音に厚みがありませんでした。ですが、いろいろ試しているうちに、イヤピースを1サイズ大きくすると、低域がフラットまで持ち上がることに気が付きました。ですので、その辺は全てのサイズを試してみる必要があるように思います。

装着に関しても、カナル型の中ではかなり浅めに装着する感じのようで、入れすぎると逆に音が抜けます。慣れれば1発で決まるようになりますが、それまでは少し時間がかかるかもしれません。いろいろ試して、ベストポジションを探してみてください。

エージングに関しては、必須事項です。ファーストインプレッションは、高音がキンキンしている割に伸びが無く、低音はどこだ?って感じなので、注意してください。私は、普段聞く曲を大音量で50時間、20Hz正弦波で10時間、100Hz正弦波で20時間、500Hz正弦波で5時間、1kHz正弦波で5時間、10kHz正弦波で5時間、20kHz正弦波で10時間、ピンクノイズで20時間ほどエージングを行いました。それぞれの周波数の正弦波でのエージングは、その周波数付近での解像度を高めようと思ってやったのですが、効果があったかは微妙です(^_^;) 一応、20kHzは効果が見られ、「サ行」の刺さる感じがかなり抑制されました。ですが、ピンクノイズでのエージングだけでも良かったかもしれません。

音の傾向はフラットなので殆ど特色はありません。モニターイヤホンなので当たり前ですが、特徴が無いのが返って特徴になっているのかもしれませんね。ただ、強いて特徴を挙げるとすれば、「サ行」が若干刺さる感じがすることでしょうか。ですが、シャリシャリが故に刺さっている訳では無いので、それほど気になる事はありませんでした。密閉型の大型ヘッドホンの音に近いのでしょうか、視聴したことしか無いので詳しくは言えませんが。
私は、イコライザで13kHzを-1db(レンジはワイド)にして聞くことが多いです。こうすると、サ行など高域にある若干のクセがほぼ完全に抑制され、解像度が数段高くなります。もちろんフラットでも聞きますがね。
ドンシャリ重視や超重低音重視、こだわりのある音域等が無く、フラットでモニター的に鳴る音が好きな人にはおすすめできる逸品ですよ。

値段は12000円ほどです。
付属品が、標準ジャック変換プラグ、ポーチ(セミハード)、1.8m延長ケーブル、イヤピースS,M,Lが付いてきます。しっかし延長ケーブルと本体を合わせると3mにもなる上に標準変換プラグまで付いてくるとは、本来は業務用を想定しているのでしょうか。まあ、モニターなので当然の配慮といえばそうなのでしょうけど。


>>スペック
周波数特性:10Hz - 24kHz (フラットに出力)
インピーダンス:18Ω (ポータブルでも余裕で駆動可能。18Ωとは中途半端な。)
ドライバ:ダイナミック (力強く鳴ります)
ハウジング:密閉型 (密閉型らしく鳴ります)

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