<デジタルの本質> |
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実際のデジタル信号 「1」と「0」の数列といいますが、一体それは何によって表されるのでしょうか? まず、最も基本的なのが、交流の電気信号です。周波数を持つ交流波の頂点で、そこが1か0か判断するのです。 他にも、HDD(Hard Disk Drive)なんかでは、周期が角運動で表され、交流波ではなく、磁気の強弱で1と0を判断します。 また、デジタル信号では処理の際に必ず周波数を持ちます。この周波数を「クロック」と呼びます。 ・デジタル通信と符号チェック デジタル通信は、符号を電気信号や光信号に変換して、電気的ケーブルや光ファイバーによって、対象と相互通信します。 通信の中心になる機器を「ホスト」と呼び、デジタル通信ではホストと接続先のクロックを一致させる必要があります。 クロックを一致させたところで、それぞれが通信可能な状態になります。 デジタル通信でも、100%完璧にやりとりできるわけではありません。僅かなクロックのズレや外部からの電磁ノイズ等で、受信する符号が狂うことがあります(エラー)。そのままでは間違った情報が処理されてしまうので、「エラー訂正」という処理が必要になってきます。 通常1バイトごとにエラーチェック用の符号が付加されており、それが正常でないときは、その領域の受信を再度試みます。これを、正常に受信したと判断できるまで繰り返します。このためエラーが多い通信は、結局通信速度にも影響してきます。ですので、信号通信の為のケーブルに、電磁ノイズシールドを施したり、クロック安定のために高性能な水晶振動子を用いることもあります。 これは有線通信での話しですが、無線でも基本的に処理は同じです。ですが、無線のほうがエラーが起き易くなります。 通信速度は、例えば「最大10Gb/s」のような形で表されます。「最大」というのは、エラーが出ずに理想的な通信を行っているときの速度を表しているからです。 皆さんが良く使う、USB2.0 HighSpeedで最大480Mb/sです。 ・グランド電位の安定とパスコンデンサー コンピュータに限らず、オーディオ等も交流信号を用いて情報を処理します。 内部では交流波が最大数GHzという高い周波数で振動して情報の伝達を行っています。その波形の中から、1と0を識別するには基準となる「グランド電位」が必要です。基準電位とも呼ばれ、そこを0Vとして電圧の高低を見ます。 ですが、もし外部から電磁ノイズが侵入したらどうなるのでしょう?基準電位面は、水面のように滑らかに回路内に形成されるのですが、それは同時に水面のように不安定でもあるのです。 外部からノイズが回路内に侵入した際、それは水面に石を投げ込んだのと同じような状況になります。グランド電位の変動をグラフィックに反映すると、水面の波のように波紋が広がってゆくのが見られます。 その波は基準電位を乱しているということなので、信号を正しく処理できなくなります。そのため、その電位変動をコンデンサーで吸収する必要があります。このグランド電位の変動を吸収するコンデンサーのことを、「パスコンデンサー」と言います。マザーボードや多くの基盤にコンデンサーが林立しているのは、この役目が大きな部分を占めているからです。 この電位変動は、オーディオでは音の歪に近い形で現れてくるので、オーディオ回路の特に電源部ではコンデンサーが大量に使われる上に、品質に拘るのです。 デジタルと言えども、アナログ的な電気回路/電子回路の部分の品質に大きく影響されているのです。 >>戻る |