<アンプ>
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・ アンプとは
「アンプ」という回路そのものは、オーディオに限らず「増幅回路」として様々な分野で用いられています。

ここでは、オーディオでの「アンプ」に限って説明していきます。
まず、アンプには色々な種類がありますよね。私も最初は意味が分かりませんでした。主に、「プリアンプ」、「メインアンプ」、「プリメインアンプ」があります。

>>プリアンプ
このアンプは、「ツマミ」類がたくさんついているものです。音量調整、イコライジングなどを行うアンプです。ここから直接スピーカーへ繋ぐことはできません。「コントロールアンプ」と呼ばれるものです。

>>メインアンプ
プリアンプから送られてきた信号を、スピーカーへ出力できるようにするアンプです。パネルには電源ボタンと出力調整のツマミ程度しかついていない、至ってシンプルなものです。「パワーアンプ」と呼ばれるものが、これに当たります。

>>プリメインアンプ
プリアンプとメインアンプを一体化したアンプです。音量調整等と、スピーカーへの出力がこのアンプだけで行えます。
ですが、単品のアンプと比較して回路が込み合い、音質的に不利であるとされることも有ります。

>>ミニコンポ
ミニコンポにも、もちろんアンプが組み込まれています。分類的にはプリメインアンプに当たると思います。



・増幅回路の種類
増幅の方式にも種類があり、「A級回路」、「B級回路」、「AB級回路」、「D級回路」が主な増幅回路です。
それぞれについて説明しますが、回路図まで持ち込んで説明すると、電気回路に詳しい方ならいいですが、このような解説ページにくる方は詳しい方ばかりと限らないので、回路図はここでは扱いません。
それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。

>>A級回路
A級の特徴として、増幅特性に優れており、音質的に高い品質であるということです。ですが、低音量時に音のバランスが崩れるという欠点があります。また、信号増幅時以外でも、回路に大きな電流を流しておく必要があり、消費電力が大きいです。
古い高級オーディオに採用されていることが多いです。

>>B級回路
増幅特性が、A級と比較して絶対的に劣る回路です。ですが、良くチューニングされたB級は、A級と遜色ない音を出すと言われています。
この増幅回路は、信号増幅時以外にはそれ程大きい電流を消費しなので、A級と比較して省電力性に優れます。また、小音量時でも音のバランスがあまり崩れません。

>>AB級回路
A級回路の高音質と、B級回路の省電力性と低音量時の特性を併せ持った回路構成です。
AB級は基本的には、単純にA級とB級を両方搭載して、それぞれを切り替えて使用されます。アナログ回路では、AB級回路の採用例が多いと思います。

>>D級回路
いわゆるデジタルアンプで、D級の「D」は、「Digital」の「D」です。良く、「A、B、C(C級回路もあります)、ときて、次にD級がある。D級は最低だ。」のようことを言う方がいますが、そもそも回路のランクを示している「D」ではないので、間違えないようにしてください。
D級回路がデジタルアンプのなかで最も音質が高く、それ以降「E級」、「F級」と続きます。
確かにD級アンプは小型化に向いており、小型化を重視するあまり肝心の音質が無視されている製品も中にはあります。ですが、そのような製品ばかりではなく、きちんと設計されたD級アンプは、しっかりとした音で鳴っていると思います。

デジタルアンプは、1ビット変調方式で信号の増幅を行います。余計な電気回路が不要である上に、省電力性にも優れ、変換効率は80%以上と言われています。

少し前までは、光デジタル入力を持つアンプを「デジタルアンプ」と言っていることが多かったようですが、それらの中身はAB級のようなアナログ増幅回路で、デジタルではありません。
1ビット変調方式を用いて増幅を行うアンプが、本当の「デジタルアンプ」です。なので、デジタルアンプでも光入力を持たないものもあります。


>>C級回路
実はC級もありますが、オーディオで使われることは、まずありえません。通常、拡声器などで用いられます。増幅率に優れ、音質を確保する必要がない分野で用いられる回路です。


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