<SIGMA DP1x> |
ついに、ついに購入してしまいました!!念願の「SIGMA DP1x」です! FoveonX3ダイレクトイメージセンサー搭載、センサーサイズはAPSより一回り小さい独自規格。レンズは35mm換算28mmの広角単焦点レンズです。 開放F値はf 4ですが、ボケも自然です。また、絞り開放から気持ちの良い描写が得られ、諸収差が殆ど見られないほど優秀なレンズのようです。ただし、最短撮影距離はレンズ交換型に匹敵するほど遠い、30cmです。マクロ用途には別途マクロコンバーターを購入する必要があります。 総画素数は1400万画素と公表されていますが、実際には470万×3層なので、出力される画像記録サイズは約470万画素です。 このカメラの最大の特徴は、なんと言っても「FoveonX3ダイレクトイメージセンサー」でしょう。このセンサー抜きに、このカメラは語れません。 通常のイメージセンサー(CCDやCMOS)は、「フォトダイオード」と言う、光が当たると電気を発生する素子をたくさん並べたものです。それ自体の構造はソーラーパネルと同じで、光の強さによって発生する電気量が変化するだけです。そのままでは「モノクロ」映像になってしまうので、その素子の前に「カラーフィルター」と呼ばれるフィルターを配置して、色情報を「1画素につき、1つ」取り出します。イメージ的には、下の図のような感じです。
このようなフィルターの配列を、「ベイヤー配列」と言い、ほとんどのイメージセンサーはこの配列を用いています。一部の例外として、富士のEXRセンサーは、「EXR配列」と言う配列で、斜め方向に同じ色が配列されています。(例えば、右下方向に「青、赤、青」と並んでいる部分は、「青、青、赤」という感じです。緑だけは「緑、緑、緑」。) このベイヤー配列で映像を取り込むと、1画素で1つの色情報しか取り出せません。全体で見ると、G=50%、B=25%、R=25% となっていることが分かります。 記録の段階では、「デモザイク」という処理を行い、周囲の色信号との「色差信号」を求め、1画素でのRGB値を「予測」して記録します。精度はかなり高いのですが結局は「予測」なので、「偽色」が発生したり、エッジが不自然になったりという現象が起きます。 構造的な偽色問題もあり、モアレなどと呼ばれています。 ところが、「FoveonX3」では1画素に、縦方向に色を識別するセンサーを並べており、1画素で3色すべてを取り込むことができます。厳密には、フォトダイオードを構成している「ケイ素」、いわゆるシリコン半導体の特性である、「短波長から先に吸収する」というものを利用しています。(まあ、これは光を含む電磁波の性質なわけですが。) つまり、素子の浅い部分から順番に、「B、G、R」と読み取っていくわけです。こうすれば、カラーフィルター無しに3原色を読み取ることができます。 ・・・と、ここまで文章で説明することを頑張ってみましたが、やっぱり図があったほうがいいですね(^_^;)
これは、1画素を横から見たときの図です。公式サイトにも似たような図があります。 こうすれば、「デモザイク」処理は不要になり、偽色の発生やエッジが不自然になるようなことがありません。このセンサーのおかげで、「空気感」や「立体感」といった画質を実現できたわけですね。 「35mmフルサイズというより、むしろ中判のような解像感」。このような評価もあるようで、単純に一眼レフ画質というより、それを上回っているようです。センサーサイズはAPS程度なのに、この構造のおかげでとんでもない解像度を持っています。 「絶対的な解像度が不足している」という方もいるようですが、「絶対的」という意味では無敵と言ってもいいでしょう。唯一他に劣る点としては、「相対的」な解像度です。どういう意味かというと、画素数が実質470万画素ということです。もし、同じ470万画素で他のCCDやCMOSと解像度を比較すると、Foveonの方が圧倒的に高解像度です。ですが、通常は他のセンサーの方が圧倒的に高画素数なので、トリミング等ではそちらのほうが有利です。 「DP1x」はトリミング用途には向きませんが、そもそもトリミングで使うような写真を撮るカメラではないですよね。 さてさて、構造的な公爵はこの辺でおしまいにしましょう。カメラなんですから、写真を見なくては始まりませんからね。実際に撮影してきたので、いくつか作例をご紹介致します。操作系や外観は後ほど。 サーバーの関係でサイズを縮小しなくてはならないのが残念ですが、雰囲気だけでも伝われば・・・!
「DP1xはRAW撮影一本」なんて聞いてたもんだから、内部現像はヒドイのかな〜と思っていたら、意外といいじゃないですか。これ全部撮って出しです。実はこの後にRAW撮影もしてみたんですが、それ程変わらないどころか内部現像のほうが安定して出力されています。まあ、SIGMAも自信あるみたいですから、内部現像処理に。 それだったら、わざわざファイルサイズが巨大なRAWよりも「撮って出し」の方が普段はいいのかな〜。でも風景になるとまた違うのかも。あ、写真館のほうにもっと作例載せておきます。 今年の年末も長野に行くので、そこでいろいろ試してみようと思います。 さて、あまり評判のよろしくないユーザーインターフェースですが、モノ好きの私にはあまり使いにくいことはないですね(^_^;) 一応、軽く紹介しておきます。因みに、よっぽどのメカ音痴、というかコンピュータ音痴では無い限り直ぐに慣れると思うのですが・・・
まず、電源をいれると、「うにゅ〜」とレンズが出てきます。「ウィ〜ン」という感じではなく、「うにゅ〜」です(^_^;) 単焦点レンズなんだから、富士のX100みたいに沈胴型はやめて欲しかった気もしますね〜。まあ、画質のためなら仕方ないですけどね。レンズが繰り出す時間はそれ程長くは無いです。起動時間自体もそれ程早いわけでもないので、まあ十分なんでしょうね。 ただ、見た目的に沈胴型だと、いかにも「コンデジ」って感じになるので、若干X100がうらやましいです(^_^;) 画質は一眼より良いのに・・・ コンデジには違いないんですけどね(笑)
システム系ですが、まあ余計なものは一切ありません。「シーンポジションって何?え、手振れ補正?そんなもんあるわけないじゃん。」こんな乗りです(^_^;) あるのは、マニュアルモード(M)、絞り優先(A)、シャッター速度優先(S)、プログラムモード(P)、おまけの動画モード。これだけです。 まあでも、実際に撮影していると、余計な装備は必要ないことに気がつくんですけどね。ハッキリ言って、他のカメラが余計なものを付けすぎです。手振れ補正は、まあ良いにしても、シーン認識で勝手にシーンポジションを変えるってどうなんですかね〜、一眼レフも含めて。 ボタン類は若干安っぽいですが、まあ気になりません、画質がいいので(^_^;) ボディーは何の金属なんですかね?手触りはアルミな感じなんですが、ハッキリとした記述は無いんですね〜。まあ、質感は悪くないですよって、人によるんでしょうが。
結局は人によるんでしょうね〜使いやすさは。 あとは、処理速度やAF速度ですか。この辺はそこそこって感じです。画像処理の速度にそれほど不満はありません。AFはコントラスト検出方式なのでコンデジのそれと同じです。ですから、あまり速いわけではありませんね。かと言って遅いわけでもありません、必要最低限以上には高速です。 MFがダイヤル式なのですが、いつまでもクルクル回っていくタイプのダイヤルではなく、焦点距離と一致した回転角になっていて、無限と最小距離のところで止まります。ですから、MFにしていない時点で先に無限遠固定とかにしておくこともできて、意外と便利です。(置きピンってやつ?) このカメラはそもそも「使いやすさ」をウリにしているのではなく、「最高画質」がウリなのですから、インターフェースやその他のことで文句を言うものではありませんよね。 総評としては、万人におすすめできるカメラではないです。断言します。ですが、カメラの基本を押さえていて、かつデジタル機器に慣れている方であれば、この画質はこの上ない魅力になること間違いなしです。(あと気が長い人ね。) 手振れ補正も無い、シーンポジションも無い、オート撮影なんて無く、短焦点レンズ。このカメラは、本当の意味で「写真を撮影する」ということを思い出させてくれる、そんな存在でもありそうです。 因みに、カメラの資料写真を撮影するために使った設備がこちら。(電力は太陽光発電でチャージしたバッテリーからインバーターを介して得ています。完全自己完結。)
ダンボールで作ったミニスタジオに、ミニスタジオライト。スタジオライトの色温度があまりにも低いので、ホワイトバランスが結構狂ってます。写真が赤っぽいのはそのせいです。・・・その言い訳のためにわざわざ写真まで載せてしまいました。すいません(^_^;) |