<軽量チューブの利点・欠点>


みなさん、自転車(スポーツバイク)のチューブって何を使ってます? スタンダード、軽量、超軽量、ラテックス、R'AIRなど色々ありますね。もちろん、チューブレスもあれば、チューブラーもありますね。

その中でも、私が好きなのは「超軽量チューブ」です。

超軽量チューブと言っても多々ありますが、私が使っているものは「シュワルベ」の「AV14A」と言う、1.5~2.1インチ幅に対応する、1本当たり「95g」と言う最軽量クラスのチューブです。
ただ、普通はこのような軽量チューブの場合、耐久性や耐パンク性が犠牲になると言うのが一般論で、決戦用として用いられることが多いようです。


軽量チューブの利点としては、
@バネ下重量が軽くなり、ペダリングが軽くなる
A僅かではあるが、スタンダードに比べてゴムの量が減って内容積が増える為、乗り心地の改善が期待できる
Bチューブが柔軟になり、タイヤの変形を妨げにくくなるので、グリップが改善することがある

この辺はラテックスチューブと似ており、またラテックスに比べて空気の抜け率が小さいので、乗り心地やグリップを多少犠牲に出来るのならラテックスより扱いは楽な感じ。

AとBはチューブレスにも言えることで、チューブレス化することでグリップや乗り心地の改善が期待できます。


また欠点としては、
@高価である
Aパンクが増える人が居る
Bスタンダードに比べて、劣化は早い
C慣性が出にくくなる
Dタイヤ剛性が低下する
EDの理由でタイヤ変形量は大きくなる

欠点多いなぁ・・・

これは@に尽きます(^_^;) スタンダードチューブが400円ほどで買えるところ、私が使っているチューブはおよそ1400円しますからねぇ
ABCDEは後述。


まずBですが、軽量チューブはどのメーカーでも、その対応幅の狭さから見ても劣化は早い可能性が高く、異物等が刺さらなくても一定期間で寿命を迎えてしまう可能性は否めません。

また実際に異物が刺さった場合を考えてみると、スタンダードチューブの厚みが1.0mm前後で、超軽量クラスが0.45mmであれば、例えばクギが0.5mmタイヤ内壁より侵入してきた場合、軽量チューブはパンクして、スタンダードはパンクしないと言うことが考えられます。(チューブは伸びますが、タイヤ内では内側から平方センチ当たり数キログラムもの力で押されているので、異物が刺さった場合は殆んど伸びずに破れると思われます。)


Aのパンクについては、チューブの品質が余程悪い粗悪品や初期不良品でもない限り、使う人間側に依存すると思います。よく、「このチューブは直ぐパンクしてダメだ!」とか騒いでいるヒトを見かけますが、組み込み時にタイヤレバーで傷つけていたり、空気圧が適正でなかったり、無理な地形を走行していたりとまぁ・・・

「そりゃパンクして当たり前でしょ!!!!!!」

と言いたくなるようなことをしているので、あまり当てになりません。そういうヒトはどんなチューブ使ってもパンクします。保障します。

結局、適正空気圧を充填し、走行時には路面を良く見極めて一番安全なラインを走行し、日ごろの点検を怠らなければパン組み見舞われる事など殆んど無いはずです。
つまり、Aに関してもそれ程シビアになる事も無い、ということです。


でCなんですが、これは利点にも欠点にもなるんですねぇ〜 実際どれほどの影響があるかは分かりませんが、まずは同じ角運動量での等速直線運動量の減少、つまり惰性で走行する距離が減ると言う問題があります。実際、これは体感できます。また、安定感も同時に減ります。

安定感に関してはDにも言えることで、タイヤ剛性が低下することでタイヤの変形量が増加し、特に高速コーナリング時に不安定になりやすくなります。さらに、そのせいでグリップが低下し、低速時には向上したように感じられたグリップは、実のところ低下しているように感じられます。

例えば山の下り、と言っても富士見のような常設DHコースではなく、普通のトレイルのコーナリング時、軽量チューブではタイヤ剛性が足りずに大きく変形し、タイヤに掛けた荷重が抜けてしまい滑り始めてしまいます。低速時には加重とそれを吸収する柔軟性が上手くバランスが取れているので乗りやすいのですが、ある一定以上の速度域では逆に乗りにくいと感じています。

これはMOBSTERに軽量チューブを入れてDHを下ったときには気が付かなかったのですが(このときはサスが不調だったせいもあるか。。。)、この間パノラマの林道コースでCountry Dry 2に同じチューブを入れて走ったときに感じました。軽量チューブじゃなければ確実に曲がれるコーナー速度なのに曲がりきれない・・・

この話を突き詰めると、タイヤの縦剛性・横剛性の話になってややこしくなるので割愛しますが、とにかく山で走るとき、それがヒルクライムのようなものでない限りは(DHとかFRとかAMとか)、ある程度の厚みと強度を持つチューブを使うほうが適していると思います。

ああいうコースじゃ、どーせ殆んど上らないんだしね。


あとEですが、これはつまり「変形量が増加することで抵抗が増える」ということです。ただ、これは単純に比較した場合は無視できます。何故なら、「軽量チューブは変形量が大きい」としても、「その変形に要するエネルギーは小さい」ので、「通常チューブの変形量が小さい」とき、「その変形に要するエネルギーが大きい」のであれば結局は同じだからです。

ただ、各々の空気圧に対する変形量の変化は違うので、例えば軽量チューブを高圧にしても変形量が比較的大きいままなので、乗り心地の改善が見込めます。これは実際に体感して確かめています。(主に突き上げに対する剛性(パルス入力に対する反応)が低下するはずなので、タイヤの接地面積は殆んど同じだと思います。転がり抵抗の増加は殆んど無いと思われます。)

また低圧時、通常タイプのチューブは変形速度(変形してから戻るまでの時間)が遅いので、路面が荒れているとき、ショックはありつつも路面に吸い付くような接地感があり、軽量チューブは変形速度が速いので、フワフワした接地感になります(要するに剛性が低い)。

ですから、元々高圧で使用するロードバイクなどでは、同じ空気圧でも変形量が増加する為に路面追従性とショック吸収性が向上するので、転がり抵抗をそれ程増加させずに恩恵を受けられます。

ですが、元々低圧で使用するMTBは、最初からショック吸収性は高く、タイヤの路面追従性も高い為、剛性の低下が目立ってしまってデメリットを多く感じてしまいます。もちろん、町乗りなどの穏やかなフィールドでは軽量チューブのメリットを十分感じられるのですが、本来のフィールド、つまり山での使用には適していないようです。





結局、軽量チューブも万能ではないんですよね。正直、MTBでは乗り心地に関してはそれ程変化は無いですし、剛性の低下によるコーナリングの不安定さや、1年で迎える寿命などを考えると、何も考えずに他人に勧められるようなものではないです。

ですが、ペダリングが軽くなるのは確かですし、強度が要求されない用途で、重い重量のタイヤを使用しているときは一度入れてみる価値は十二分にあります。


一度軽量チューブを使ってみれば、様々な利点欠点が解ってくるので、「ここでは軽量、ここではスタンダード」と言った感じで使い分けるようになります。

私も以前はずっと軽量チューブを入れていましたが、劣化によってあらぬところでパンクしたりするので、以下のように使い分けるようになっています。

・登りがあるとき:「ちょっと軽量」なチューブ(MAXXISウルトラライト)、128g(実測131g)
・フリーライド系:強度のあるチューブ(シュワルベAV13)、190g(実測199g)
・町乗り・サイクリング:1.25インチのタイヤ(200g)にスタンダードチューブ(シュワルベAV12)、120g(公称値)

結局、「超軽量」は寿命が短い上に高価なので使用を諦め、それより少し重い128gのチューブにしています。本当は使いたいんだけどね〜  意外だったのは、乗り心地はこちらの方がよく、しかも剛性も上がってかなり良い感じです。やはり、超軽量に分類するチューブはヒルクライム専用と言った感じですね。


ところで、シュワルベのスタンダードチューブ良いですよ。厚みがあり、比較的モチモチした感触、それでいて極端に重くない190g(公称値)という重量。初期不良が無い限りはパンクしたことが無いですし、他社のチューブに比べてちょっと独特の乗り心地がある気がします。

ダウンヒルでも問題ない強度がありつつ実測199gですから、結構万能です。

町乗り・サイクリングでは超軽量のタイヤを使用しているので、チューブはある程度強度があったほうが良いだろうと言う考えでスタンダードを使用しています。とりあえず、パンクはした事がありません。
本当はR'Airやラテックスを入れてみたいのですが、一本200gと言う決戦タイヤと同等の重量のタイヤなので、ちょっとパンクが怖い・・・ そして、元々軽量なのでチューブを軽量にしなくとも十分に軽い、と言うのもあって未だ試していません。100psi(7bar)で乗ってますが、乗り心地に不満はなし。因みに私の体重の適正値である60psiで乗ると、なぜか逆に振動が増えるので敢えて最高値の100psiで乗ってるのです。中途半端に吸収した後に跳ね返されるのかな?

そのうち試してみたいけどね〜



実は、以前チューブレス化を検討していた時期がありました。今でも稀にしていますが、そのたびに「止めておこう」という結論に。

何故かと言うと、パンクしたときの処置が面倒なのです。面倒ならまだ良いんですが、修理不能と言う場面が想定できるので、それで毎回この結論に至ってしまうのです。

もちろん、普通のクリンチャーでもパンク修理不能と言うことは考えられるのですが、「クリンチャーなら直せるけど、チューブレスは無理」と言うことがあるのです。その逆もありえますが、確率は下がります。
具体的には、「パッチで塞ぎきれないくらいの傷が、タイヤに出来たとき」です。クリンチャーであれば、何かチューブとの間に噛ませることでとりあえず走行可能に出来るのですが(最悪ダンボールでも可)、チューブレスでは確実にパッチを貼らないとエア漏れが起きて走行は出来ません。もちろん、チューブレスにチューブを入れてしまえばクリンチャーと同じ方法で修理できるのですが、それの為にチューブを持ち歩くくらいなら、始めからクリンチャーで良い訳です。シーラントを入れてしまうと、シーラントでも塞ぎきれないときにチューブが入れられません。

チューブレスのメリットは、単純に「チューブが無いこと」でない事は解っていますが、別にレースに出るわけでもないので、管理や修理が容易なクリンチャーが良いと思うのです。
それに、軽量チューブなどを組み合わせることで、限りなくチューブレスに近い乗り味や特性を作ることは出来ますし、今の状況にそれ程不満があるわけではないので、暫くはクリンチャー派でいると思います。



>>次へ

日記TOPへ