<FUJIFILM F300 EXR>




私が所有しているカメラの中で最も最近に発売された機種です。(この記事を書いた時点で)
富士フィルムが、「フラッグシップ・コンパクト」として発売していたもので、広角24mm〜望遠360mmの光学15倍ズームFUJUNONレンズ搭載です。

筐体がマグネシウムだかアルミニウムだか(触った感じではアルミ)で出来ており、見た目がかなり高級感で溢れています。
しかし、です。画質がそれに見合っていません。いくら典型的なコンデジと言っても、「フラッグシップ・コンパクト」と言うからにはもう少し画質が良いかと期待していましたが、ファーストインプレッションはハッキリ言って「失敗」でした。これはヒドイ、と。

別に等倍鑑賞が趣味なわけではないんですよ、念のため。一見したときの画質が最も重要で、その上で写真としての画質を評価するべきだと思っているので。
しかし、このカメラで撮った写真は、場面によっては問題ないんですけど、一見した時点で「???」となる程のときもあるんです。

レンズ収差も結構あるし、そもそもエッジがひどい。もう、ギザギザと言いますか、シャープネス処理の塊って感じの画像です。やっぱいくらEXRセンサーと言っても、1/2型じゃあ無理があるのかな・・・と思っていました。
ですが、それはLサイズ(1200万画素)で撮影したときの話です。ご承知の通り、EXRオートは画素数を可変させます。そのとき、Mサイズ(600万画素)ではそれほどエッジの酷さが目立たないことが分かってきました。EXR特有の画素混合が効いたようです。

その後しばらくはMサイズ設定のPモードで撮影していました。そこそこの画像なのですが、やはりまだ何か不自然な感じがしていました。

半年ほど経ったある日、ふと「Sサイズにすると更に画素混合するのかな?」という疑問が沸いて、さっそく画像サイズをSサイズ(300万画素)に設定、風景を適当に撮影してみました。
すると、とても高精細な画像が撮れているではありませんか!300万画素ではありますが、とても高画質です。ようやく、「フラッグシップ・コンパクト」の名に画質が追いつきました。なんでもっと早く気が付かなかったんだろう(^_^;) その間に撮影した画像を考えると、非常に悔やまれます。

「これなら十分だな」

そう思って、最近では専らSサイズで撮影しています。私はこのようなタイプのカメラは手軽であることが第一条件だと考えているので、撮影モードもEXRにしています。こうすれば、勝手にダイナミックレンジも拡大してくれるし、手軽に高画質で撮影できます。
私は写真を殆ど印刷しないので、300万画素もあれば十分なのです。印刷すると言っても、A3とか異常に大きく印刷したりはしないので問題ありません。これは、私がSIGMA DPシリーズの画素数に問題を感じないのと似た感覚ですね。

※2012年2月9日追記
ただ、いくら高精細な画質だと言っても、風景画での使用に耐えるだけの画質では無いと思います。ただ、これは「SIGMA DP1x」や「S200 EXR」といったカメラを所持している上での話なので、これ単独であれば、十分な画質です。極端に画質の拘らないのであれば、風景画で使ってもいいでしょう。
※ここまで



F300には、撮影モードが一通り搭載されています。もちろんマニュアルモードもありますが、絞りがNDフィルター併用で3段階しか設定できないのであまり使う価値は無さそうです。極端な露出条件だったりしたときには役に立ちますが、それ以外では微妙です。

基本的な撮影モードはS200と変わりません。ですが、新たに「Adv.モード」なるものが追加され、今までシーンポジションに割り当てられていた「ぼかしコントロール」と「連射重ね撮り」がこちらに移動され、アクセスがし易くなりました。また、「ぐるっとパノラマ360°」がAdv.モードに追加され、パノラマ撮影が出来るようになりました。

パノラマ撮影は中々面白い機能で、撮影者が回転しながら撮影した複数の画像を繋ぎ合わせて1つの横長な画像を生成します。


荒川サイクリングロードの終点です(360°)


風景画などでも活用できそうな機能ですよね。(画質は無視したとして)
ですが、多少コツをつかまないと上手く合成してくれません。回転が遅すぎても速すぎてもダメですが、意外と速く回転する必要があります(0.1Hz位の回転角?)。また、画面に表示されるガイドに気を取られすぎてもダメなようで、少しくらい中心が狂っても問題はないようです。

パノラマの角度は3種類選べ、120°、240°、360°です。またカメラの向きも指定でき、縦を指定すると上下の撮影できる範囲が広くなります。

因みに、このカメラのAFは位相差検出のAFです。CCDに位相差検出用の画素を割り当て、最短0.158秒でAFが完了します。確かに早く、犬の撮影では結構役に立ちますね。望遠でのAFも快適にこなしてくれます。
いつも位相差かというと、そうでもなく、暗いときにはコントラスト検出に自動で切り替えて最適なAFを行ってくれます。そのときは、少しAFが遅くなります。


総合してみると、300万画素のカメラとしては「フラッグシップ・コンパクト」であり、パノラマ撮影機能などの遊び要素も含まれていて楽しいです。それらから考えると良く出来たカメラであり、今後も手軽に撮影するカメラとして使い続けていきたくなる一品です。


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